国道4号線(2)


東京〜仙台

 東京を出た時から、八戸とか青森といったナンバーをつけたトラックが、やたらと多い。
 東北自動車道が全通して、もう20年以上もたっているが、東北方面から東京に来る、あるいは東北に帰るトラックは、国道4号線を通っていくことが多いようだ。このことは、国道4号線が、いまも首都圏へのアクセスルートとして、生きていることを意味する。国道1号線を走っていても、関西とか九州ナンバーのトラックをみることは、あまりない。
 なぜかは、実際に走ってみれば、すぐに理解できる。

 一部区間、道幅がせまく走りにくいところもあるが、全体としてみれば、国道4号線はじつに快適な道だ。とくに福島周辺は、まるで高速道路かと思うほど、いい道である。仙台より北は一車線ではあるが、クルマの数が、極端に少なくなる。そこを、時速80キロ近いペースでクルマが流れている。
 道幅がせまいままの矢板〜須賀川のあいだと、渋滞の激しい仙台付近だけ高速道路を使って、あとは国道4号線を使っていけば、所要時間は、全線東北自動車道を使うのと、そう大きな差はないだろう。

 黒磯市をすぎると、東北に来たな、という感じがする。
 栃木県と福島県との、県境に近いこともある。が、個人的には、JRを使って東北方面に行くとき、必ず黒磯で乗り換えていたことが、その理由だと思う。上野を出た普通電車は、黒磯までしかいかない。直流電化と交流電化の境界がこの駅にあり、緑とオレンジの直流型電車は、すべて黒磯どまりとなる。黒磯から「福島行き」などという表示の出ている赤い交流型電車に乗りかえると、ようやく関東を脱出した、という気がしたものだ。

 もちろん、国道を走っているぶんには、そういうことはぜんぜん関係がない。むかし関所のあった白河市をすぎて、いよいよ東北、と思う方が自然だ。しかし、私にとっての、東北の入り口は黒磯、という思いが強い。普通電車に揺られながら旅をした、学生時代の思い出とだぶって、つい、そう思ってしまう。

 正午に、安達町を通過。安達太良山の安達町だ。晴れていれば、安達太良山がよく見えるが、今日は何も見えない。「安達太良山の上に広がる空が、本当の空だ。」という詩のとおり、このあたりの空は、晴れていれば、ほんとうにセルリアンブルーの絵の具を、そのまま塗ったような感じの、濁りのないきれいな色である。今回の旅では、どこかで、そんな空をみることができるだろうか。

     
安達太良山の地図を見る


黒磯市公式サイトへのリンク
安達町公式サイトへのリンク


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