中高年のためのオートバイ運転講座

  4.直進の方法



私のように運転がヘタな者は、事故を起こさないために、どのような運転をしているのか。直進する場合を例にとってみる。


直進の方法

まっすぐ走るのに、なんかテクニックがいるのかって?
いいえ。  (^^;

運転が上手い方は、どうぞ、まっすぐ走ってください。
けれど、運転がヘタな私にとっては、まっすぐ走っている時でさえ、ときどきピンチに陥るのである。以下は、ありがちなケースである。



図4-1 クルマの直後を走っていた


図4-2 なにかが落ちていた



図4-3 踏んでしまって転倒した


図4-4 で、うしろから来たクルマに
 
 

道には、結構、いろんなものが落ちているものである。コンビニ袋、空き缶のほか、ペットボトルとか、お菓子の袋とか。これらはみんな、クルマに乗っている人が捨てるのである。そして、そういったゴミは、しばしば私たちオートバイ乗りの生命を脅かす。


はっきりいって、まともな家庭に育って、ちゃんとした教育を受けた人なら、道にゴミを捨てたりしないと思う。でも、世の中そんな人ばかりではない。自分のクルマのなかが汚れるのがイヤだったり、目の前からゴミがなくなりさえすればいい、と思っている人は、平気で道にゴミを捨てる。
こういったマナーの悪い人に対して、
「道にゴミを捨てるな!」
と言うのはたやすい。けれど、現実問題として、道にゴミを捨てる人がいる以上、それに対して自分の身を守るにはどうしたらいいのか。それを考えるしかないのである。
 

ゴミが道のまん中に落ちていた場合、クルマのドライバーはどうするだろうか。これは、クルマを運転される方なら、すぐにわかるだろう。ふつうは、またぐのである。そして、オートバイで後ろを走っていて、前のクルマがまたいだゴミを、よけられるだろうか。
 
私の場合、運転がヘタなので、なかなかよけられない。
時速60kmで走っている場合、1秒間にすすむ速度は16.7メートル。で、前のクルマとの車間距離を20メートルくらいあけて走っているとして、またいだゴミは、見えてから自分の足もとに約1秒ちょっとでやってくる。そのあいだにさっとよける、というのが、なかなか出来ないのである。
 
で、経験のある人は知っているだろうけど、あき缶くらいのものを踏んでも、けっこうハンドルをとられる。雨の日のコンビニ袋は、オートバイ乗りにとって、脅威以外のなにものでもない。で、前輪をすべらせてしまうと、ふつうは転倒する。で、転倒したら、その1秒後には、うしろのクルマがやってくるのである。


それでは、どうしたらいいのか。

簡単である。前のクルマのタイヤが通ったあとを走ればいいのである。


図4-5 前のクルマのタイヤの通ったあとを走る





道にものが落ちていた場合、よほど運転がヘタな人でもない限り、踏んで走るクルマはいない。だから、前のクルマのタイヤが通ったあとを走ればいいのである。
では、右のタイヤと左のタイヤのどちらがいいか。
状況にもよるけれど、私は左のタイヤが通ったあとを走ることを、強くおすすめする。つまり、レーンのかなり左を走ることになる。理由は、対向車にぶつかる危険性を、少しでも減らすためである。危険な状況には近づかない。オートバイを運転している時は、常にそのように心がけておけばいいだろう。
 
 
え? 空缶とかゴミなんか、めったに落ちていないだろうって?

いいや。道には、本当にいろんなものが落ちている。私の経験では、フォークリフトが使うパレットが落ちていたことがある。忘れもしない、第三京浜を走行中のことであった。
私の前を走っていたトラックが、走行レーンのまん中に落ちていたパレットをまたいだ。直後を走っていた私は、トラックの下から、突然パレットが見えた瞬間、驚きと恐怖でからだが硬くなり、なにもできなくなってしまった。結局、私はパレットの10センチ左を、時速70kmで通過した。これは、過去18年間におよぶ私のオートバイ運転歴のなかで、もっともヤバかったケースである。もし、あれを踏んでいたら、いまごろ、ここでこんなことを書いていることはないだろうな、と思う。
道には、いろんなものが落ちている。慎重に走るにこしたことはない。

この「中高年のためのオートバイ運転講座」はBlog「国道な日々」に掲載していた記事を再掲したものです
無断転載を禁止します


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