中高年のためのオートバイ運転講座

 1.右カーブのまわり方




このホームページでは、何回も申し上げているように、私は運転がヘタである。けれど、過去18年間にわたり、8万キロ以上、オートバイを運転しているが、まだ事故を起こしたことはない。
運がよかった、ということもあるだろう。
事実、ひやっとしたことは、過去に3回ほどある。けれど、なんとかここまで無事故で来れたのは、ヘタはヘタなりに、ちゃんと考えて走っているからだと思っている。

そこで、運転がヘタな私が事故を起こさないために、どのようなことを心がけているかを述べてみたい。運転が上手い人が、事故を起こさないのは当たり前である。運転がヘタな私が、いかにして自己防衛をしているか。それを述べることにより、あるいは参考にしていただけることもあるのではないかと思うからである。ご興味があれば、読んでいただきたい。


右カーブのまわり方

カーブをまわる際、運転が上手い人のラインのとり方は、言うまでもなく、アウト→イン→アウトである。理由は明らかで、それが一番速いからだ。右カーブを例にとってみよう。


図1-1 運転が上手い人のラインのとり方



アウト→イン→アウト
 
 
けれど、運転がヘタな人にとっては、こういったラインで走ると、いろいろと問題が出てくる。図1-2は、もっともありがちなケースであろう。


図1-2 ありがちなケース



対向車線にはみ出してきた大型車と衝突


運転が上手い人は、こういった場合でも、瞬時にラインを変えることができる。だけど、私のように運転がヘタな人は、カーブをまわっている最中に、ラインを変えることは、なかなか出来ないのである。
まあ、いくらなんでも、対向車にそのままぶつかってしまうという人は少ないだろうけど、ラインを変えたときにリアタイヤを滑らせてしまって転倒するというのは、よくあるパターンである。

最悪なのは、リアタイヤを滑らせたときに、驚いてスロットルを戻してしまうことである。急速にタイヤのグリップが回復することにより、オートバイから放り出されてしまうのだ。いわゆる「ハイサイド転倒」で、公道でこれをやらかすと、ほとんどの場合、ガードレールにたたきつけられて死ぬ。
 
私は運転がヘタだから、カーブを走行中、ラインを変えることは、あまりやりたくない。で、どういうラインで走っているかというと、図1-3のようなラインをとっている。


図1-3 運転がヘタな人がとるべきライン



アウト→アウト→イン



つまり、カーブの出口が見えるまでは、アウトがわを走るのである。
カーブの入口でアウトから入るのは当然であろう。そして、カーブの途中は出口が見えるまで、つまり対向車がはみだしてこないということが確認できるまではアウトがわを走る。そして、カーブの出口が見えてから、初めてインがわに入るのだ。最後にインがわに入ることの意味は、普通、カーブというものは連続しているものだから、次の左カーブに備えるためである。


初心者のうちは、右カーブをまわるとき、無意識のうちにセンターラインに寄ってしまうものである。私もそうだった...。けれど、あまりにも早い段階でセンターラインに付いてしまうと、身動きがとれなくなってしまう。それよりは、安全が確認できるまでは、アウトがわを走った方がいい。


言うまでもないことだけど、こういったラインで走ると、速く走ることはできない。レースでいう「ベストライン」とは大きく異なるからだ。けれど、公道はレース場と違って対向車が来るし、ガードレールがあるのである。そのどちらにぶつかっても死ぬのだ。だから、慎重になった方がいいだろう。
 
まとめると、右カーブをまわるときは、運転が上手い人(=走行中に瞬時に走行ラインを変えることができる人)がとるべきラインは、「アウト→イン→アウト」である。私は運転がヘタだから、走行中にラインを変えることがなかなかできない。だから、「アウト→アウト→イン」でまわるようにしている。


この「中高年のためのオートバイ運転講座」はBlog「国道な日々」に掲載していた記事を再掲したものです
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