国道13号線(2)
黄金崎(こがねざき)というところには、不老不死温泉という、すごい名前の温泉がある。
今日は快晴で、汗をびっしょりかいている。で、ひと風呂あびたくなった。案内看板にしたがって、国道をはずれて、海岸までおりていった。
一軒宿ということで、さびれた湯治場ふうの旅館を想像していたのだが、意外なことに、大きなホテル風の宿で、観光バスが何台かとまっている。入浴のみで、300円であった。とても安いと思う。
鉄分が多く、黄金色、というよりも赤錆色の湯だった。日本海が窓のすぐ外に見える。夕日をみえれば最高なのだが、あいにく、水平線あたりに雲があって、見えなかった。
1日じゅう、Tシャツで走っていたので、腕が日焼けして、痛かった。水をかけて冷やす。
本当は、半袖でオートバイに乗るのは感心しないのだが、こんなに暑い日なのだから、仕方ないだろう。
さらに走る。だんだん、クルマが少なくなってきた。信号ひとつなく、快適な道である。夕暮れの日本海をみながら、ずっと、私一人で走る。絶景を一人占め状態だ。
ところで、こういう場合、時速何キロくらいで走ればいいのか悩むところだ。一斉取締り、いわゆるネズミ取りにあいたくない。(私は過去2回、旅行中にネズミ取りに遭い、赤キップを頂戴している) いちばん無難なのは、地元のクルマについて走ることだ。私は、しばらく時速60キロメートルで走った。
ミラーを見ながら走っていると、はるかかなたから、白いクルマが、せまってきた。私の後ろについた瞬間、ためらいなく追い越しをかけてきた。時速80キロメートルを超えている。どうやら、このあたりは大丈夫なのだろう。そのクルマに先導役をつとめていただき、ついて走ることにする。むこうは、「きたねー。」と思っていることだろう。事実、そうだ。が、こんなところで、また赤キップを頂戴したくない。
能代は、かつては木材加工の町であったが、いまは、そんな面影はまったくない。バスケットボールの強豪、能代工業高校があるところだ。意外に大きな街だった。
国道7号線に入った。新潟まで続く全長474.4kmの国道で、日本で7番目に長い。
秋田にむかって走る。右手は、八郎潟である。すでに日が暮れているので、なにもみえない。琴丘町にある道の駅で、少し休んだ。トイレで、チャリダーが一人、米をといでいた。どうやら彼は、今日のねぐらをここに決めたようだ。
秋田市内に入ると、雷雨がふりはじめた。ファミリーレストランに入って、コーヒーをのみながら、やりすごすことにする。
ウェイトレスの女子高生たちは、みんな美人だ。秋田県にくるたびに、本当に美人が多いな、と思う。秋田美人の本場といわれるところは、湯沢・横手・大曲・角館などを中心とした雄物川流域だそうだ。が、市内でも、やはり美人が多い。
モンゴロイド系のひらべったい顔ではあるが、みんな、きめが細かい白い肌と、ぱっちりした目を持っている。感心しながら、ウェイトレスの女子高生たちを観察しているうちに、雨があがった。ヘルメットを持って立ち上がる。勘定をはらうとき、美人のひとりが、「どうぞ、お気をつけて。」と言って、にっこり笑ってくれた。「ありがとう。」と言って、笑いかえす。単純にうれしい。
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リンク
能代市公式サイト
秋田市公式サイト